〜第3回 公開ワークショップ 報告〜
 
    「かたよっていませんか、あなたの看護」
場所:渋谷区立勤労福祉会館和室

ラーニングスタッフ役割分担⇒ 司会 :永野   
                  受付・雑用・書記:澤田、下村
アドバイザー⇒村松静子代表

<午前>

* あいさつ・今回のテーマを取り上げた理由についてなど(司会)
* ラーニングスタッフの誕生の経緯・今後の挑戦など(村松代表)             
* 一人一人が近づくためのエクササイズ      (澤田)
* 自己紹介


<午後>

参加者の方の中から話してみたいテーマを出してもらい、2グループに分かれて話し合い・分かち合いをしていく
@療養の場の選択・在宅への移行について(ケースをとおして)
A看護の形態のひろがりの可能性。(外泊・長時間付き添い看護・夜間付き添い看護などをとして)


 *ラーニングスタッフがこのテーマを取り上げたいきさつ

なぜ「偏っていませんか?あなたの看護」なのか。

3ヶ月半LSをやって、自分を振りかえりした中で「いままで看護をやってきていなかったかもしれない」という気づきがあった。例えば病院にいた時、便秘だったら下剤、痛みがあったら鎮痛剤、食べられなかったら点滴。

HOW TOにとらわれていた自分がいたのでは?本当に看護としてやるべきことをやってきただろうか。手を使ってできることを、看護としてできることをやっていただろうか。薬・処置などにすぐいってしまっていないか。看護としてやれることがないか。

反対に「患者さんの為に・・・患者さんの為に・・・」と想いばかり熱く、押し付けの看護もある。

日ごろのケアを振り返る必要性があるのでは?と感じていたことからこのテーマを挙げた、患者さんとの関係のなかで気になっていることを通した振り返りの場にしたい。自分自身が改めて自分のケアに気づき、今後のケアに生かしたい。


 *このワークショップの特徴

互いに出あって作り上げていくもの。
誰かが一方的に教授していくのではなく、全員参加型。

 *ウォーミングアップ

畳の部屋をフル活用! 笑いが起こり、みんなが近づいていく

@ 輪になって手を繋ぐ。眼を閉じて、方の力を抜く。手を握り、力感じたら、となりの人に力を伝える。
   しっかりみんなのみんなのエネルギーがと  どいたかな?

A もう少し近づいて。腰に手をあって、みんなに支えあう。相手を信用して体をあずける。
  楽に相手に体をあずけ、支えきれたかな? 辛そうなひとも・・・

B 右手の方をみる。後ろ人の膝に一声に座る。みんな域があって座れた
  息が合わないとつぶれたり、すわり心地が悪くなる。

*相手を信頼して近づきあえたでしょうか・・・?

  距離がだんだん近づいてていった。
  近づいたところで自己紹介も畳に座って円になって、分かち合い。
  なにか心に引っかかっている患者さんとの場面・最近困ったことの共有をする。

 *自己紹介・参加者の想い・感じていることなど、一部抜粋

*自分の性格をわかっておらず、人間関係に影響。
 状態の変化、家族がパニックになっていたときに、自分自身もパニックに。
 どうやったら冷静に判断していけるだろうか。

* どうケアしたら楽になるかを考えずに、看護ケアをしていた。.
 そのことに気がいていなかったこと自体問題。
  
*管理者でスタッフの相談・経験を行かしてアドヴァスする立場。
 最近、ターミナルの若い50代の男性との係わり合いの中で、管理者として自分がすべきことに戸惑いな
  がら悩んでいる。自分がどう向き合 うのか。実際の場面で向き合っていくとき、どうしていくかがむずか
  しい。

* 臨床で小児・救急ICU経験するなかで、自分が看護してるのか悩む。
  看護師の仕事ってなんだろうと悩んでいる時に地域看護を学ぶ機会があり、在宅でなくなる患者さん
   に出あって、病院と在宅の死が違う。人間の死ってここにある。将来在宅がいいなと思ったのがきっか
   け。
  最近のケースを通して、最初は揺れ動くのが必要と思っていたが、看護師としてどうなんだろう、感情
   移入しすぎているのではというチームの受け持ちNS。
  チームメンバーとしてどうかかわればいいのか。

*オペ室にいて病棟の経験がない。看護を病院ではしているのかなと感じる。
  看護記録がまるで医者さんの観察記録のようなのは疑問。全人的にみるって?
  その後訪問看護のほうに入ったが、訪問の際、最近処置だけという傾向が強い。
  例えば褥創が治ったら訪問うちきり、それでいいの?
  どこまでNSが介入していったらいいのか。看護を自分達でつくっていく必要性は?

*30年経験。療養支援室でのメンタルケア。
 自分を見つめ、自分って何者かわかってきたときに、全人的に人を見るってどういうことかなあという。相
  手の立場にたった支援って?
 目隠しをして走らされえいるような感じという未告知の患者さん。患者さんといっしょに歩んでいくには・・・
 病院のケアと在宅のケア、ズレがあるかな?
 支援って難しい。療養生活を整えるって? 具体的に推し進めていくには?

*病院経験3年目。
 NSになるときの目標「慣れで仕事をしたくないな」というのがあった。
 業務に流されたりはいや。でも慣れがある。
 忙しい、余裕がないから、検温まわらなくちゃとか半強制的に「体ふきましょう」とか、自分のペースで仕事
  をしているのに引っかかっている。
 患者さんのことを考えていないなあ。見直して行きたい・・・いきづまり
 いいさいごを迎えるためには。在宅の最後っていいんじゃないかな?

*支援室で相談をやっている。
 ガンで、治療手立てがない患者さんに「退院を迫る」現実がおかしいのでは?
 治療だけでなくて緩和も・・・と思い院内の研究会発足し、支援室つくった。
 家に帰ったらとDrが言うが、家族や本人はちがう。治療が見つかったら医師に治療をやりましょうといっ
  てほしいと思う本人・家族の声。医療者との思いにずれを感じる。
 支援の際、自己決定を本人ができるように、一緒に考える姿勢をとっている。
 しかし思いをきちんと吸い取れていない。
 また関わる深さも違ってくるので難しい。

*今までこなすだけの看護だった。本当にこれでいいのかという迷い。
 知識をつけたり考えたりしたらもう少しいい実践ができるんではないかと思い、院へ。
 振り返ると、訪問看護でターミナルの方にかけつけたときに、呼吸状態をみて「大丈夫」と帰ってきたこと
  を思いだしたが、これってほんとうに看護か?
 熱があるから訪問看護中止?訪問看護はなにやってるんだろうとおもいながら、そのまま流され通り過
  ぎてきたが・・・

*とにかく訪問をこなさなくちゃという今。でも振り帰りの時間が大事と気づいた。
 在宅と病院、何が違うか。例えば一時間という決められた時間で看護を完結しないといけない。


⇒以上のように、普段熱い思いを抱えて働いているみなさんが、自分をさらけ出し、笑いあり涙ありの、
  気持ちが行き交う時間となった。


 


* 参加者のみなさんと3つの約束

*午前中に想いを共有していく中で、当初のケア実践をとおした振り返りではなく、
 同じような悩みを共有し、現実を見据えながら、もとこうしていったほうが良いんじゃないか、ここはどうし
  たらいいかというのをだしていくようなエ ンカウンターグループのような会となる。
 そこで、キーワードを決めてグループになる

テーマは
@療養の場の選択・在宅への移行について(ケースをとおして)
A看護の形態のひろがりの可能性。(外泊・長時間付き添い看護・夜間付き添い看護などをとして)


@療養の場の選択・在宅への移行について(ケースをとおして)

ケース「30代後半の女性、エンドステージ。独居。退院して「帰るところがない」といわれる。
    今後どうするかについて。「実家に帰るしかないでしょう」と本人に投げ捨てるようにいわれ、胸
    がどきどきするほど動揺する。安心して療養できる場がない彼女。ではどう支援したら?」
   この事例を通しながら、療養の場の選択について、病院から在宅への移行について、連携に
   ついてなどみなで話あう場となった。

A看護の形態のひろがりの可能性。
    (外泊・長時間付き添い看護・夜間付き添い看護などをとおして)

 在宅看護研究センターは「必要なときに必要なだけ必要な看護を」という理念のもと、
  保険ではカバーできてないような外泊・長時間付き添い看護・夜間付き添い看護などを
  行っている。その中での看護の実際を話していく中で、看護形態のひろがりの可能性、ふだんの
  看護の振り返り、悩みや思いの共有を行っていった。

 *全体を通して
3つの約束のもと、自分の心を素直に表現していくことができ、共に考えながらの分かち合いの時間となった。

以上、第3回公開ワークショップの一部を紹介させていただきました。

 



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